逆境キャンプ・本編

お昼には晴れ間もあったけれど、午後の空は曇模様。
みなさん張り切ってますね〜
協力してテント、タープ、テーブルと設営します。
今年はやがて降りだすであろう雨に備えて、きさ家デリカ号とこぐ家ナディア号の間にブルーシートを掛け、その下にテントを1つ。これはあゆこさんときさで使う事に。
手前に新調したタープ(昨年まで使っていたのは老朽化の為に引退。ポールはブルーシートの支柱に使った)を張って、テーブルと調理器具をセット。
もう1つテントも張って、とりあえず完了。
雨がパラパラしてきましたが、設営が済んでしまえば不快な思いをすることもありません。
凍らせて持ってきた西表のパイナップルも食べ頃になっています。
解凍したら、見た目はまるっきり缶詰みたい。でもコレは生なのよ〜と強調してみたり。
歯応えがなくなっているものの、ウマウマです。


予報どおりに雨が降り出してきました。もう少し遅くなると思ったんだけどなぁ。
雨具を着込んで夕食の支度を始めます。風は殆んど無いのが幸しました。
「雨ならまだマシだよね。風の方が大変だよね〜」
ゴアテックスレインウェアを皆が着ていたので、不快感もありません。
知らないうちにタープの外に出ていた背中がひどく濡れていたのですが、全く気付かないくらい。滅多に使わない自転車用の雨装備が役に立って嬉しい?なんてこの時はフトドキなことを考えていました。




今年もナンを作りました。にちさん、とても器用に生地を捏ねます。
かさんの指導?の賜物かな(^^)
後ろでこぐ家さんの令嬢・あゆちゃんが見守ります。

今回のメニューは
いわしの丸干し
本まぐろのカマ
二の岡フーヅのベーコン
モクモクのソーセージ
馬刺しとか、レバ刺とか
焼肉(牛肉・ピーマン)
チキンカレー
キノコ&ビーフカレー
ナン
ご飯4合

デザート用に
杏雲(杏仁豆腐)

調理の途中から体調不調の竹本さんはマモルさんの車で休んでいました。
料理は出来たものから順に冷めない内に食べるようにしていたのですが、メインのカレーを食べだしてからもまだ熟睡しています。
キノコカレーがなくなっちゃうよ〜、というところで竹本さん復活。
そしていきなりガツガツ。今までの遅れを取り戻す勢い!!
食欲も復活された様子で一安心。


食べているうちに、すっかり日も暮れました。
雨だと虫に悩むことが無いのが少しだけ助かります。
雨脚は強くなっていく一方です。大きな声じゃないと会話が成り立たないくらい。
こぐさんが”こぐ笛”(電子サックス?)を披露してくれましたが、1曲目が”遠き山に日は落ちて”
まるで挑戦状みたいじゃん(笑)
「まさかこんな凄い状況でキャンプするなんて思ってもみなかったね。」
「なにもかもがスムーズに行くよりも、逆境の方が思い出に残ったりするよね。」
「去年の富士山も凄かったけど思い出深かったもんね。(きさ家以外の5人のメンバーは昨年のキャンプ後、富士山登頂隊を結成したのだった)」
と、富士山登頂部隊標準装備のヘッドライトで余裕の笑顔。

最初の頃はタープに溜まる雨を落として遊んでいたけれど、やがてこのままで朝までこのタープは持つのだろうか?と不安になってきた。
最悪の事態を考えて、濡れる可能性のある朝食用の食材は車に移しておきました。
去年は歩いていける距離の日帰り温泉施設で汗を流したのだけれど、もうこの雨の中動きたくない(というか危険)状況。明日の朝にお風呂に行く事に。

しかし問題が・・・この豪雨の中でトイレに行くのがブルーだぁ。
でもガマンして眠れるレベルでもない。あゆこさんも同じだったようで、二人で意を決して傘を借りて歩く。
きさは万が一に備えて踝丈の長靴に履き替えていたので、水浸しになった芝生のキャンプサイトも濡れずに歩けたけれど、普通の靴のあゆこさんは相当不快だったみたい。



食事の片付けもして、この後はのんびりお酒とお喋りを楽しむ夜、という事になるのでしょうが今年はチョット無理。少し風も出てきて、少し体が冷えてきました。
仕込んでおいた杏仁豆腐に宮崎マンゴーをトッピングしてスペシャルデザートを用意しました。
これを女性用テントで食べながら過ごそう、と支度をするうちに雨が更に激しくなりました。
テントに入るために長靴を脱いだ途端、足はずぶ濡れになりました。
4〜5人用のテントを二人だけで使うので、スペースに余裕はあります。
マット代わりに毛布を敷いてその上で眠るつもりでしたから毛布は濡らしたくありません。
後から入ってくる男性陣は手前の濡れたままスペースに正座(決して罰ゲームではない)
うっかりスプーンを1本しか持ってこなかったのですが、外に取りに出る気力などあるわけはありません。みんなで順に回し食べ。
ずぶ濡れで凹み気分だった皆のココロに、マンゴー&杏仁が少し明るい気分をもたらしたと思いたい。

やがて男性陣はテントを移動しました。21時ごろだったでしょうか。
先にこぐさんは豪雨に怯えるあゆちゃんと一緒に車で休んでいました。
あゆこさんとシェラフに入ったものの、でも最悪の事態を考えると怖くて灯りが消せません。
でもテントはブルーシートに覆われているし、まぁ大丈夫だろうと思っていました。
少しお喋りをして過ごし、でも疲れていたのか知らないうちに眠っていました。

どれくらいの時間が経ったのか、雨も風もますます強くなっていました。
でもナゼ目が覚めたのでしょう・・・う、冷たい。
フリース素材のシェラフが少し濡れています。もしや、下の毛布も・・・・
床下から浸水しているようです。時間は22時ごろだったような。
とても朝まで持ちそうにありません。あゆこさんもすぐに気配を察して目を覚ましてくれました。

向こうのテントはどうなっているのだろう?最悪お互いの車で休もう、でもきさはデリカ号の鍵も、電話も手元にありません(そもそもPHSが使えないから)
あゆこさんが携帯を持ってくれていたので助かりました。
竹本さんに電話が繋がり、ダーは車で寝ている事がわかって一安心。
しかし心配していたタープが半壊して、外は大変な状態のようです。

こぐさんにもこちらの事態を伝え、ナディア号にどうにかスペースを確保してもらいます。
でもこの豪雨の外に出るのは本当に躊躇われます。
そうしている間にも床はどんどん濡れてきます。・・・・やっぱりここはダメだ。
二人とも意を決してテントから飛び出します。
ダーがロックしていなかったので助かりました。でもあっと言う間にずぶ濡れです。
しかも濡らしたくない荷物を助手席に沢山積んでいたので、2列目席で窮屈な状態で収まる以外は身の置き場は有りません。
それでも雨に怯える心配が無くなったのは助かりました。

それからどれくらいの時がたったのか、外が静かになりました。
不自然な姿勢で眠っていたので熟睡という訳にはいかないけれど、どうにか休むことができました。